モキュは三滝川下流の左岸にある岩上田に来る。岩上田というのは巨石の上に水田を作ったという名所だ。しかし、モキュは地質学的に言っても重要だと考える。それは秩父帯がメランジュであることを示している場所だからだ。岩塊はチャートの転石であり、発生源は三滝山の対岸の山の崩壊地と考えられる。そこはチャートの巨石が点在しており、モキュは地元の人から鬼が巨石を投げた伝説を聞いたことがあった。つまり、モキュはかつてその山にいたことがあったのだ。この地域がジオパークに指定されるはるか前、モキュは山の南にある温泉宿に滞在していた。そして付近で地質調査をしている一行に出会う。モキュは地質のことなど全く知らなかった。